この記事では、日本最高クラスのトップビルダーで日本に数名しかいないゴールドジムアドバンストレーナーである井上浩選手が考案したIH式トレーニングの理論を紹介します。

この記事はこんな人におすすめ
- IH式トレーニングってどんなもの?
- トレーニング重量が伸びない
- 筋肥大が停滞している
IHとは「井上浩(いのうえ ひろし)」の頭文字から名付けられています。
- トレーニング歴41年(2021年現在)
- 99年〜2015年日本クラス別選手権17連覇
- 2000年アジア選手権(90kg以下級)4位
- 2002年 ジャパンオープン優勝
最初にIH式トレーニングの具体例を紹介し、次に理論を紹介します。
IH式トレーニングの具体例
まず具体例として、背中の種目であるラットプルダウンを例にして紹介します
トレーニング種目:ラットプルダウン
重量設定
- 全力を出し、チーティングを使って、なんとか30センチ程度引ける重量をMAX重量に設定する(例:100kg)
- どんなに疲れていてもお手本のような完璧なフォームで引くことができる重量をMIN重量に設定する(例:40kg)
- MAX重量とMIN重量の中間重量を計算する(例:(100 + 40)/ 2 = 70kg)

セットの組み方
基本的にはドロップセットで、先ほど設定した重量を使い
- MAX重量 100kg 6reps
- 中間重量 70kg 6reps
- MIN重量 40kg 9reps
1〜3を一気にやりきって1セット
あとは各々の目的や疲労度に応じてセット数を決める(例1〜3セット)
IH式を使ったトレーニングの種目例

IH式トレーニングはその性質上、重量を素早く変えることができる種目が適しています
例えば、スタックで簡単に重量変えられるマシンやダンベルをでできる種目です
逆にバーベル種目は、プレートの交換に時間がかかるため不向きです
私が実際にやっている種目を一例として紹介すると
【マシン種目】
- ラットプルダウン(背中)
- シーテッドロー(背中)
- チェストプレス(胸)
- ペックデック(胸)
- ショルダープレス(肩)
- レッグプレス(足)
- レッグカール(足)
- レッグエクステンション(足)
【ダンベル種目】※重さの異なるダンベルを複数用意
- ショルダープレス(肩)
- サイドレイズ(肩)
- ダンベルローイング(背中)
- ダンベルカール(腕)
以降、IH式トレーニングの根底になっている理論を紹介します。
IH式トレーニング理論
IH式トレーニング理論の根底には人間の脳が持つ環境適応能力があります
わかりやすいように2つの例をあげます
例1:坂の上の家に引っ越すと足が太くなる
例2:寝たきりになると足が細くなる
例1:坂の上の家に引っ越すと足が太くなる

平地で生活している人間が坂の上の家に引越ししたとします。
毎日生活するためには、坂道を上り降りすることになります。
すると、人間の脳は環境に適応するために足の筋肉を大きくする必要があると判断します。
そして脳からホルモンが分泌され、足の筋肉が発達し大きくなります。
例2:寝たきりになると足が細くなる

歩いて生活していた人間が病気で寝たきり生活になったとします。
すると、人間の脳は使っていない足の筋肉を無駄にエネルギーを消費する筋肉と判断します。
そして足の筋肉は衰えて細くなるのです。
筋肥大に必須なことは高重量
筋肥大には高重量を扱うトレーニングをして、脳が筋肉がもっと必要だと判断してもらうことが必須
それも自分の力が及ばない領域に片足を踏み込むほどの超高重量を扱うことが重要。
そこまでやることで初めて、人間の脳がもつ環境適応能力の恩恵を受けることができるのです
正しいフォームのトレーニングではダメ?

正しいフォームでトレーニングできるということは、自分の筋出力の制御内の重量を扱っていることになります。
そのため、正しいフォームでできるということは自分にとって重すぎる重量でトレーニングできていないことを意味します。
高重量で正しいフォームはありえない!
自分が背伸びをしないと扱うことができない高重量を扱うと、反動を使ったり、動かせる範囲が狭くなったりします。
正しいフォームでやることができなくなるのです。
ただ、それこそが本当の高重量。
そのため高重量で正しいフォームはありえないのです。
スゴイ体を目指しなら

高重量を推奨することは、正しいフォームを否定することになります。
筋トレ = 健康、怪我をしない範囲内での重量でトレーニングをする
ボディビルダーのようなスゴイ体を目指すなら、上記は捨てることになります。
筋トレフォームは無視してもいいのか?
結論から言うと、フォームは無視できません。
筋肉には起始と停止があります。
筋肉を動かすとは、筋肉が最大伸長と最大収縮することを動きの中に取り入れることをいいます。
これを行うことによって、脳に筋肉の端から端まで刺激を与えたことを伝えます。
ただし、フォームを最優先にしてしまうと動かしきれる軽い重量の設定になってしまいます。
これでは筋肉は肥大しません。
理想は、、、
高重量で正しいフォームで行えるのが理想だが、1つの重量設定ではありえない話であるということが、ここまでの内容を理解していれば分かってもらえるはずです。
高重量を優先すると正しいフォームが犠牲になってしまいます。
正しいフォームを優先すると高重量が犠牲になってしまいます。
理想を実現するための方法がIH式トレーニング
高重量と正しいフォームの両方を1セットの中で実現するために考えられたのがIH式トレーニングです。
最初にハーフ程度しか動かせない程度の高重量をやって
間髪入れずに、大幅に重量を軽くして動かし
さらに間髪入れずに、大幅に軽くして正しいフォームで動作する
これらを一気に駆け抜けます。
そうすると、やり終えたあとに高重量かつ正しいフォームで1セットで動かせたと脳が認識しホルモンを分泌され、筋肉が肥大します。
トレーニング重量が伸び悩んでいたり、停滞を感じている方はお試しください^^
以上、【筋トレ】IH式トレーニングってなに?|日本最高クラスのトップビルダー井上浩選手の理論の基礎という記事でした。
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