【ボイラ基礎】ドラムや管寄せなど各部の役割をざっくり解説

スポンサーリンク

ボイラーの構成概略図を使って、各部の役割をざっくり解説していきます。

スポンサーリンク
この記事を書いた人
SAKA

機械設計が得意

SAKAをフォローする

ドラム

ドラムというと一般的に「汽水胴」と「水胴」のことを呼びます。

汽水胴の役割

ボイラー上部に設け、蒸気を取り出します。

そのため汽水胴のことを「上ドラム」と呼ぶ人もいます。

自然循環および強制循環型の水管ボイラーでは、火炉や蒸発管を通って加熱された汽水混合体を、ドラムに導き、ここで蒸気と水に分離します。

また、ドラム内部に多量の水を保有するので、停電時の給水ポンプ停止時に空缶となり、水管が過熱されるのを防ぐ役割も持っています。

水胴

ボイラーの下部に設けられます。

そのため水胴のことを「下ドラム」と呼ぶ人もいます。

ドラムの構成

ドラムは下記のもので構成されています。

管板:多数の管を溶接またはころ広げにより取り付ける板

胴板:ドラムの円筒部に形成する板

鏡板:ドラムの両端を形成する皿形などの板

管台:弁や連絡管を取り付けるための短管

マンホール:内部点検のために、人が出入りできる穴

空気抜き:ボイラー内の空気を抜く管

ボトムブロー:ボイラ水中の不純物が底部に沈殿したスラッジ(カマドロとも呼ぶ)を排出する管

連続ブロー:缶水の性質を測定するために、缶水を連続的に排出する管

管寄せ

管寄せは「かんよせ」と「くだよせ」という2種類の呼ばれ方をします。

どちらもよく使われる呼び方ですが、どちらも意味は一緒です。

管寄せの役割

管を一箇所に集めたり、管寄せから複数の管に分配させたりする役割があります。

管寄せの構成

管寄せも下記のもので構成されます。

胴:円筒部

スタブ:管につながる短管

検査穴:内部点検のための小穴

ドレン管:蒸気管系などで温度低下によって蒸気が復水してできたドレンを排出する

管台:弁や連絡管を取り付けるための短管

空気抜き:ボイラー内の空気を抜く管

水管、蒸発管

燃焼ガスからの放射熱、接触熱吸収をおこなって、蒸発がおこなわれます。

連絡管

連絡管の役割はボイラーのドラムや管寄せをつなぐことです。

連絡管の種類

連絡管には2つの種類があります。

降水管:ボイラ水が下降する管で、汽水胴から水胴や下部管寄せに繋がる

蒸気管:汽水混合物が上昇する管で、上部管寄せから汽水胴へ繋がる

過熱器(スーパーヒータ)

過熱器の役割はボイラーで発生した湿り飽和蒸気を乾燥させ、さらに使用先で必要な温度まで過熱することです。

過熱器(スーパーヒータ)の構成

過熱器は下記のものから構成されます。

・飽和蒸気管:汽水胴から飽和蒸気を取り出す管

・過熱器管:過熱器を構成する管で、接触熱交換をする

・蒸気出入口の管寄せ

・低減器:過熱低減器やDeSH(デスーパー)とも呼ばれ、過熱蒸気の温度を注水することにより低減調整する装置

節炭器(エコノマイザ)

節炭器(エコノマイザ)はボイラー煙道ガスの余熱を利用してボイラー給水を予熱する装置です。

排ガスの放出熱量を低下させることによって、熱損失が減少し、ボイラー効率が上昇します。

火力発電所の燃料である「石炭」を「節約」できる装置のため、「節炭器」なんていう変な名前となっています。

節炭器

節炭器は下記のもので構成されます。

・節炭器加熱管:節炭器を構成する管で、接触熱交換する

・給水出入口の管寄せ

ちなみに、ボイラーの基礎について学びたい方におすすめの本はこちらです。

コメント