ボイラーや給湯器には、減圧弁やら安全弁やら逃がし弁やらといろんな弁がついています。
昔の私は、その違いがよくわかっていませんでした。
この記事では、その違いや用途について、わかりやすく解説します。
減圧弁とは?
減圧弁は、ボイラーや給湯器に入る水の圧力を下げるためのものです。
なぜ、圧力を下げる必要があるかというと、法律で圧力制限がかかっているからです。
たとえば家庭用の低圧ボイラーは、お国のきまりで「管体圧力が1kg/cm=0,098MPaまで」と決められています。
加熱すると圧力が上がってしまう
↓
それなら加熱して圧力が上がっても良いようにしよう
↓
あらかじめ低い圧力になるように減圧弁をつけよう
ってな具合で減圧弁が使われています。
「加熱による圧力上昇」のほかにも、さまざまな理由で減圧弁は使われますが、その目的は全て、水などの流体(空気や蒸気)の圧力を下げるために設置されています。
ちなみに減圧弁のことを、「レギュレーター」と呼ぶ人もいます。
レギュレーター【regulator】=調整装置 という英語のことです。
わかりにくいから、みんな減圧弁って呼んでくれよ!って思います。
安全弁とは?
ボイラーには、耐えられる圧力(設計圧力)が決められています。
万が一、何かのトラブルで圧力が上がりすぎて、ボイラーが破裂なんてしたら大惨事ですよね。
そうならないように、安全弁が設置されています。
その言葉通り、安全弁は、蒸気や気体の圧力を安全に逃すための設置されています。
逃がし弁とは?
逃がし弁と安全弁は、ほぼ同じ目的で設置されています。
ただ、全く同じではありません。
その違いは、蒸気や気体なら安全弁、液体なら逃がし弁!という点です。
安全弁・・・蒸気や気体の圧力を安全に逃すために設置されている。
逃がし弁・・・液体の圧力を安全に逃すために設置されている。
流体によって、弁の種類が変わります。
その理由は、気体と液体で弁の構造を変える必要があるからです。
たまに、安全弁と逃がし弁は同じものだ!と言っている人がいます。
鼻で笑いながら、こっそり違いを教えてあげてください😀
なお、ボイラー構造規格(国が決めている、お約束)では
・水の温度が120度以下の温水ボイラーには、圧力が最高使用圧力に達すると直ちに作用する、逃がし弁を備えなければならない。
・水の温度が120度を超える温水ボイラーには、安全弁を備えなければならない。
となっています。
ちなみに、圧力容器の初学者におすすめの本はこちらです。
以上「【初心者向け】減圧弁、安全弁、逃がし弁の違い、用途!わかりやすく解説」という記事でした。
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