『ダイエットの科学 これを食べれば健康になるのウソを暴く』【書評No.23】

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この記事を読めば『ダイエットの科学』の重要な箇所を知ることができ、ダイエットに役立つ情報を学ぶことができます。

さかどん
さかどん

こんな人におすすめ

・ダイエットに失敗したことがある

・ダイエットに関する情報が多すぎて逆にわからなくなった

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この記事を書いた人
サメ男

機械設計が得意

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書籍の紹介

【これを食べれば健康になるのウソを暴く】

本書は、双子研究の世界的な権威でロンドン大学遺伝疫学教授のティム・スペクター氏が、乱立するダイエット法やインチキ科学を最新の研究結果をもと論理的に暴いていく1冊

正直に言って、これまで50冊以上の読んできたダイエット本の中で最も内容が濃く、最も信頼できる1冊です。

ダイエットや健康に関して、エビデンスに裏打ちされた論理的な説明がされたおり名著といえます。

また、現在の科学では証明しきれていない内容については、はっきりとその旨を書いてくれています。

本書では、一般的な食品ラベルを道標にしながら、栄養成分表示によって提示される極端な単純化が間違いであり、そこに現れない部分を考える必要がある理由を明らかにしています。

そして、現在の食生活にまつわる、とくに危険な神話の多くを暴いています。

また、腸内環境・腸内細菌の重要性を実験・研究結果から説明しているので、論理的に納得することができます。

すこし専門的な内容も含まれているので、ダイエット初心者には難しい内容かもしれません。

ただ、いくつかのダイエット本を読み、基本的な知識をお持ちの方にはおすすめできます。

この記事では紹介しきれない量の役に立つ情報、満載なので最新の研究結果を知りたい方は一読してみるとよいでしょう。

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15個の要点まとめ

万能のダイエット法などというものは存在しない。

脳や腸は個人差がとても大きいし、食べ物に対する体の反応も人によってさまざまで、なおかつ柔軟性が高いからだ。

また、二番煎じの理論が正確な実験結果の一万倍もあふれているこの世界では、絶対に間違いを犯さない専門家や完全に公正な判断を下せる人も存在していない。

私たちの人生は、自分の体にとって最適な食生活をみつけるための、いわば発見の旅と言えるだろう。

私たちの腸とそこにすむ細菌は、庭の手入れをするように世話をしてやることで、きっと豊かになっていくはずだ。

肥料、つまりプレバイオティクスや食物繊維や栄養素をたっぷり与えよう。

そしてその庭には新しい種、つまりプロバイオティクスや未経験の食べ物を定期的にまいてみよう。

食べる量を減らして運動を増やせば体重が減るはずだ、それができないのは単に意志が弱いからであるというような主張は、この数十年の医学界でマントラのように繰り返し唱えられてきた。

肥満や慢性的な病気が今までにない勢いで広がっている理由は、世界中の人々に自制心が欠けているせいだ、とも言われる。

しかし、こうした素朴な考え方は、はたして本当に正しいのだろうか?

栄養学のジグソーパズルには大切なピースが1つ欠けている。

同じ量の食事をとっていても、ある人は体重が増えるのに、別の日とは何キロも痩せるケースがあるのはなぜだろうか?

実は現在では、痩せ型の人は、どんな集団を見ても少数派だ。

1980年のイギリスでは、肥満は人口全体のわずか7%だった。

それが今では24%まで増加している。

遺伝子は、DNAの変化は積み重ねだと言えるが、そんなに短期間で変化できず、伝統的な考えでは、自然選択による適応が起こるには最短でも約100世代かかるとされている。

だとすれば、他の要因が絡んているのは明らかだろう。

遺伝子はきわめてささやかな仕事しかしていない。

つまり私たちがなにか別の重要な要因を見落として、それが食生活や健康に影響を与えている可能性があるのだ。

その要因とは私たち腸内にすむ小さな微生物であり、近年の肥満の蔓延の謎も、それらに腸内の微生物(腸内細菌)によって解くことができる。

入ってくるエネルギーと出ていくエネルギーは等しくなければならないという、熱力学の基本法則にこだわるあまり、私たちはこれまで、その根拠や理由に注意を払ってこなかった。

アルコール依存症になったのは代謝できる以上の量のアルコールを飲んだからだとは、ふつう考えない。

それなのに肥満の話になると彼らが太っているのは、消費する以上のカロリーを摂取しているからという考え方で満足して、その理由を考えようともしないのだ。

ある実験で42頭のサルに同じカロリー2種類の食事を6年間与え続けた。

食事の材料も同じで、違うのは含まれている脂肪の量だけ。

一方のグループは、全カロリーの17%を天然由来の植物油から、もう一方のグループは同じ17%を人工的に合成された、健康に良くないトランス脂肪酸から摂取した。

食事は体重を一定に保つように考えられていたが、トランス脂肪酸を与えられたグループは体重が増加し、もう一方のグループと比べて、危険な内臓脂肪が3倍になり、インスリンの値は悪化した。

体が食べ物からエネルギーを生み出すプロセスは、その食物源や咀嚼した回数、消化のしやすさ、食べ合わせなどによってかなり違ってくる。

ある研究では、白米をスプーンではなく箸でたべたほうが、血糖値の上昇と、それによるインスリンの分泌速度を抑えられることがわかっている。

摂取エネルギーに対する反応は、その人の体質や遺伝子構造によっても変わるし、腸内細菌の状況によっても異なることを忘れてはならない。

こうした要素は、食べ物の栄養成分表示上のカロリーとして表す場合にまったく考慮されていないのだ。

双子研究の結果、エネルギーが消費されるスピード、あるいは脂肪が蓄積し、それによって体重が増加するスピードのかなりの部分が、明らかに遺伝子に左右されていることをはっきりと示している。

一卵性双生児と二卵性双生児を比べると、体重や脂肪量の類似性がはるかに高いという結果が得られている。

このことからも、遺伝的要因が重要だと言える。

実際のところ、個人差の70%は遺伝的要因で説明することができる

四万人近い双子を対象に運動習慣を調べた。

その結果、親や家族の影響が徐々に消え始める21歳以降では、週に数回の運動を好むかどうかという傾向に対して、遺伝子が大きな影響を与えている。

つまり世の中には運動がもともと苦にならないタイプがいて、テレビでスポーツを見るだけでぞっとするような人と比べれば、彼等は運動というプロセスをより楽しむことができる。

乳製品中心の食事と乳製品を含まない食事を比較する臨床研究がいくつか実施された。

どの研究でも乳製品を摂取したグループのほうが、わずかながら体重の減少が大きかった。

これは、乳製品に含まれる成分のなかには、内臓脂肪を減らすものがある可能性を示している。

その要因はいまだに不明だが、少なくとも乳製品に含まれる微生物には重要な意味があると考えている。

総脂質の摂取量を減らせば良いという従来の単純な常識には科学的根拠がない。

塩や砂糖がたっぷりはいった加工食品に含まれる脂肪が体によくないのはもちろんだし、人工的に作られるトランス脂肪酸はもっと悪い。

一方で飽和脂肪酸は、体に良いばかりか、腸内細菌のエサになり、その多様性を高める働きのある重要な化学物質や栄養素を多く含んでいることがわかった。

どんなダイエット法でも、ある程度体重を落とすと、体の代謝レベルが下がってしまうことが知られている。

具体的には、約6週間の集中的なダイエットで10%以上の減量をすると、体が以前蓄積していた脂肪の量を開腹しようとするので、その分だけエネルギー消費量や代謝量が減少することが、対照実験で確認されている。

代謝量の低下は、1日の摂取カロリーに10%に相当する場合もある。

臨床研究によれば、このような代謝量を再設定しようとするメカニズムの作用は、低脂肪ダイエットの場合が最も大きく、高タンパク・低脂質のアトキンス・ダイエットが最も小さい。

実践|3つのポイント

①ダイエット中はヨーグルトなどの乳製品をおやつにチョイスする

②オリーブオイルはエキストラバージンオイルを選ぶようにする

③6週間で10%以内の減量にする→1ヶ月だと4週間なので、6.6%以内→つまり現在の体重が72kgなので、1ヶ月あたり4.7kg以内の減量にする(現状毎月2kg程度の減量なので問題なし)

ひと言まとめ

さかどん
さかどん

腸と腸内細菌によって、人間の栄養吸収能力が決まる。腸内細菌を侮ってはいけない。むしろ、もっと注意を払い、腸内環境の改善に務めるべき

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以上、「『ダイエットの科学 これを食べれば健康になるのウソを暴く』【書評No.23】」という記事でした

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