自然循環ボイラの水循環における3つの注意点とは

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ボイラの水循環はとても重要な問題です。

ボイラ水がうまく循環しないと、水管内に空気だまりができてしまい、水で管を冷やすことができずに管が破孔してしまいます。

対策としては、水管内に空気だまりができない管内流速にすることと、管を冷やす水の量を確保することです。

この記事では、その具体的な対策方法として、自然循環ボイラの水循環における3つの注意点を解説していきます。

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サメ男

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自然循環ボイラの水循環における3つの注意点とは

3つの注意点は以下の通りです。

①蒸発管内流速

②循環比

③ボイド率

これらを確認して、水循環が適切であるか総合的に判断することが重要です。

それぞれ順番に解説していきます。

①蒸発管内流速

蒸発管の中は、水と蒸気が混ざって流れています。

蒸発管が垂直ではない場合に、水がうまく循環していないと、空気だまりができてしまいます。

空気だまりには、水が流れないため、局所的に管の温度が高くなり、腐食が起きてしまいます。

蒸発管内流速を0.4m/s以上

つまり、蒸発管内流速が早ければ、空気だまりができにくいということです。

ポイント

蒸発管入口部の管内流速を確認

②循環比

空気だまり部ができないようにするためには循環比の確認も重要です。

循環比とは、蒸発量に対する蒸発管流入水量の割合のことで、式にすると次の通りです。

循環比 = (蒸気量+飽和水量) / 蒸気量 ≧ 30

この循環比が30以上であれば、蒸発量に対して水の量が十分あるので、局部的に管の温度が上がる心配がないと判断できます。

③ボイド率

ボイド率とは、循環水中の蒸気体積の割合のことで、式にすると次の通りです。

ボイド率 = 循環水中の蒸気体積 / 循環水中の水と蒸気を合わせた体積 ≦ 0.6

このボイド率が0.6以下であれば、循環水中の蒸気体積が多すぎない、逆に言うと水の量も十分あるので、局部的に管の温度が上がる心配がないと判断できます。

ポイント

蒸発管出口部のボイド率を確認

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